2017年10月、遂にDesign EngineerとしてDysonイギリス本社で製品開発の仕事が始まります。桑沢デザイン研究所でプロダクトデザインを勉強し始めた2012年から想い続けたので5年越しです。

ワクワクとドキドキが半端なく入り混じった超絶ワクドキ状態。でも最初はやっぱりドキドキの方が強かったな。憧れの場所にきたけど自分のスキルでちゃんと通用するんだろうかっていう心配で、デスクに座ってるだけでドキドキしてた気がする。

Dysonの製品開発部署はRDD (Research Design & Development)という名前で、機械、電気、制御、試験、製造、その他いろんな役割のエンジニアが何千人もいます。僕が入ったのはこのRDDの中でもアイデアやコンセプトを生みだして形にするNPI (New Product Innovation)というチームです。開発プロセスの一番最初の段階を担当し、ここで製品の仕様から外観までおおよそが決まります。

5年間、ここに来たくて腕を磨きました。

Dysonには独立したデザイナー部署というものがなく、エンジニアの肩書きを持つ人たちがプロダクトデザインのスキルも持っていて、技術面と並行してデザインをします。(インターフェイスやスタイリングのディテールを最終的に仕上げる専門のエンジニア達は別にいますが、最初のNPI部署の段階でかなりのところまでデザインを行います。)


ホントこれがやりたくて!

Dyson製品はよくデザイン家電って言われるくらい特徴的でカッコいいけど、実はオシャレさを第一に製品を作ってるわけじゃなくて、テクノロジーを追求して、それをそのままカタチにするという考え方です。ちょうどキレイな植物とかカッコいい動物の姿カタチにちゃんと意味があるようなイメージで、プロダクトデザイン業界では ”Form Follows Function – 形態は機能に従う” って言われます。



そしてチーム内でよく耳にするのが” Wow factor ”(ワォ!すごい!って驚くような要素)という言葉で、技術を追求しながらもそれに合わせた美しさや製品として魅力的かということもとても大切にしているんだなと感じます。

(2018年12月時点)つい先日発売した Dyson Airwrap™スタイラー 髪の毛を空気の流れで引き寄せてカールさせるなんてまさに” Wow!! ”

 

 

 

僕は山梨大学の機械工学科を卒業後、桑沢でデザインの勉強をしながらデザインとエンジニアリングを一緒にやることで製品がより洗練される可能性をボヤ〜っと見ていました。そんな時にDysonの考え方に出会って憧れました。そして幸運にも実際のDysonはまさに当時想像した通りの場所で、今しっかりと自分の力を発揮することができています。

 

実は去年イギリスに来た時は日本支社からの長期出張という扱いで1年の期限つきでした。でもありがたいことに1年間の成果で力を認めてもらえて、2018年11月からイギリス本社雇用になりました。

 

僕は東大に行ってたり海外の有名大学を卒業してるとか、小さい頃からスタートダッシュを切ってたわけじゃありません。運良く情熱を注げることが見つかって、努力の仕方を覚えた感じです。ダイソンを目指してからいろいろ頑張りましたが、その上にたくさんの縁と幸運に恵まれました。

デザインエンジニアとして次の目標は人の習慣を変えてしまうような製品を作ることです。まずは今の秘密の開発が皆さんの元に届いて、最高のWowを体験してもらえるように頑張ります!!

 

*話が現在まで追いついたので、これからは本編に入りきらなかったサイドストーリーとかイギリス情報とかを書いていきます。

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1件のコメント

デザインエンジニアになったお話6:Dyson日本支社 → イギリス本社へ – 菅原祥平 – Design Engineer · 2019-03-10 07:53

[…] デザインエンジニアになったお話7:Dyson日本支社所属 → イギリス本社移籍(2018.12 現在) 366ビュー […]

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